中古タイヤは、状態がよければ選択肢になります。避けたほうがよいものもあります。危険性を分けるのは値段ではなく、製造年・残り溝・側面の状態の3つです。どれも買う前にご自身の目で確かめられますので、その見かたと、中古タイヤのリスクがどこから生まれるのかをまとめました。
中古タイヤが安い理由と、そのぶん見えないもの
中古タイヤが安いのは、一度使われていて、残りの寿命がそのぶん短いからです。理由としては当たり前で、それ自体は悪いことではありません。
気をつけたいのは値段より、前にどう使われていたかが分からないことのほうです。タイヤは走った距離だけで傷むわけではなく、たとえば次のような使われ方をしていると、傷みが早く進みます。
- 空気圧が足りないまま長く走っていた
- 重い荷物を積んだ状態が多かった
- 直射日光や雨の当たる場所に置きっぱなしだった
- 縁石に強く乗り上げたことがある
タイヤの中には、ゴムのほかにワイヤーや繊維の層が入っています。強い衝撃を受けるとこの層が傷むことがありますが、内部の傷は外から見えません。中古タイヤが危ないと言われるとき、その多くはこの見えない部分のことを指しています。
買取くん中古だから危ない、という単純な話ではないんです。分からない部分があるぶん、外から見えるところだけは念入りに確かめておきたいですね。
買う前に確かめたい3つのこと
実物を前にしたら、見るのは次の3か所です。工具はいりませんし、慣れれば1本あたり1分もかかりません。

| 確かめるところ | どこを見るか | 気をつけたいサイン |
|---|---|---|
| ①製造年 | 側面の「DOT」で始まる刻印。その末尾4桁 | 年数が進んでいるほど、使える残りは短くなります |
| ②残り溝 | 溝の底にある盛り上がり(スリップサイン) | 溝と同じ高さになっていたら使用限度です |
| ③側面の状態 | タイヤの横の面(サイドウォール)全体 | 細かいひび、こぶのようなふくらみ、突き刺し傷の跡 |
①製造年は数字4桁で分かります
タイヤの側面には、作られた年と週が刻まれています。中古の場合、ここが最初の関門になります。見かたは次の章でくわしく説明します。
②残り溝は「スリップサイン」で見ます
タイヤの溝の底には、一段高くなっている部分があります。これがスリップサインです。溝の深さが1.6mmまで減ると、路面と接する面に現れます。乗用車の場合、1.6mmは道路運送車両法にもとづく保安基準で決められた数字で、これを下回ったタイヤでは車検に通りませんし、公道を走ることもできません。
場所が分かりにくいときは、側面にある小さな「▲」の印を探してください。その延長線上の溝にスリップサインがあります。
スリップサインが出ているのは、もう寿命という意味です。中古で買うなら、出ているものはもちろん、近づいているものも見送るのが無難です。新品の乗用車用タイヤの溝は8mm前後といわれますから、半分より減っていれば残りは短いと考えてください。
定規が手元になければ、100円玉を溝に差し込む方法があります。硬貨の「1」の数字が見えてしまうなら、残り溝はおよそ5mm以下といわれます。簡易な目安ですが、お店で見るぶんには十分役に立ちます。法律で決まっているのは1.6mmのほうで、5mmはあくまで目安です。
③側面のひび・ふくらみ・修理跡
タイヤの横の面は、走るたびにたわむ場所です。細かいひびが出ているもの、部分的にこぶのようにふくらんでいるものは避けてください。側面の傷は、原則として修理ができません。
パンク修理の跡があるなら、どの方法で直したかまで聞いておくと安心です。内側からパッチを当てる内面修理なら、中の状態を見たうえでの作業になります。外側から差し込むだけの応急的な修理もあります。側面の傷の見分け方はタイヤの側面の傷は大丈夫?交換が必要な目安でくわしく解説しています。
中古は1本ずつ仕入れられていることが多く、4本の摩耗がそろっていない場合があります。減り方に差があると、雨の日のブレーキの効きが前後左右でちぐはぐになりやすくなります。同じ車軸の左右2本は、銘柄と減り具合をそろえて選んでください。2本だけ替えるときは、溝の深いほうを後輪に付けてもらうと車の動きが安定します。
製造年の見方|DOTコードの4桁
タイヤの側面には「DOT」から始まる刻印があります。アメリカの規格に沿った表示で、日本で売られているタイヤにもほぼ入っています。この刻印の末尾4桁が、作られた年と週です。
- はじめの2桁が、作られた週(1〜53)
- あとの2桁が、作られた年の下2桁
- 「1225」なら2025年の12週目、3月下旬ごろ
この4桁は、タイヤの片面にしか入っていないことがあります。見当たらなければ、反対側の面も見てください。ホイールに組まれた状態だと内側を向いていて読めない場合もあり、そのときはお店の方に聞くのが早道です。
ネット通販で中古タイヤを買うなら、注文の前に4本それぞれのDOTコードの写真をお願いしてみてください。断られたり、あいまいな返事しか返ってこなかったりするお店は、そこで見送って構いません。年数の考え方はタイヤの寿命・交換時期の目安もあわせてご覧ください。
ゴムは、使わなくても古くなります
中古タイヤで見落とされやすいのが、年数です。溝がたっぷり残っていても、作られてから時間がたてばゴムは硬くなっていくといわれます。走らずに置いてある間も、その時間は同じように過ぎます。
何年で交換すべきかについては、メーカーによって説明に幅があります。拠りどころのひとつが、一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)の案内です。同協会は、使用開始から5年以上たったタイヤは販売店などで点検を受けること、製造から10年たったタイヤは外見に問題がなくても新品に交換することを勧めています。
| 製造からの年数 | 中古として買うときの見方 |
|---|---|
| 3年くらいまで | 保管がよければ状態は期待できます。溝と側面は別に確認を |
| 5年が近い | 使用開始から5年以上は点検が勧められる時期です(JATMA) |
| 6〜9年 | 見た目がきれいでも、残りの期間は長くないと考えて |
| 10年以上 | 溝が残っていても新品への交換が推奨されています(JATMA) |
ですから中古タイヤの値段は、新品の何割引かではなく「あと何年使えそうか」で見てください。製造から6年たったタイヤが半額でも、使える期間が3分の1なら、1年あたりでは安くありません。
保管の状態でも差が出ます。屋内で立てて置かれていたものと、屋外で日に当たり続けたものとでは、同じ年式でも傷み方が違います。「どこに置いてありましたか」と聞いてみると、そのお店の姿勢も見えてきます。
中古が向いている場合・向かない場合
中古タイヤは、条件がそろえば無理なく使えます。逆に、条件が合わないまま安さだけで選ぶと、あとで買い直すことになりかねません。分かれ目は、あと何年その車に乗るかと、どこを走るかの2つです。

選択肢になりやすい場合
- あと1〜2年で手放す予定の車。残りの寿命で足りる見込みが立ちます
- 近所の買い物や通院が中心で、年間の走行距離が短い
- 実物を自分の目で見て買える。製造年も溝も側面もその場で確かめられます
- 1本だけ替えたい事情があり、残り3本と銘柄・減り方をそろえられる
新品のほうが安心な場合
- これから何年も乗り続ける車。途中で買い直せば、結局は割高になります
- 高速道路や長距離を走ることが多い。タイヤにかかる負担が大きい使い方です
- 雪道を走るためのスタッドレス。冬の性能はゴムの新しさに支えられています
- 実物を確認できないまま買うことになる。製造年も傷も分からないのは避けたいところです
製造年と残り溝から「あと何年使えそうか」をざっくり見積もって、値段をその年数で割ってみてください。新品を同じように割った金額と並べたとき、差が小さければ新品のほうが気楽です。差が大きく開くなら、中古を選ぶ理由がはっきりします。
新品でも、買い方しだいで負担は変わります
新品が高いと感じるとき、その金額にはタイヤ代のほかに、取り付け工賃・バランス調整・古いタイヤの処分料が含まれています。中古と比べるなら、この総額どうしで並べてください。内訳はタイヤ交換費用の相場にまとめてあります。
タイヤをインターネットで買って、近所の取り付け店に直接送ってもらう方法もあります。お店には手ぶらで行けばよく、重いタイヤを運ぶ手間もかかりません。
今ついているタイヤの側面に「195/65R15」のような数字があります。これをそのまま入力します。
購入の画面で近所の提携店を選び、都合のよい日時を予約します。工賃も先に分かります。
タイヤはお店に届いています。古いタイヤもその場で引き取ってもらえます。
中古と迷っている段階でも、製造年の新しい新品が取り付けまで込みでいくらになるか出しておくと、比べる材料になります。
おおよその費用だけ先に知りたい方は、当サイトの無料診断もお使いください。車のサイズと本数を選ぶだけで、交換にかかる金額の目安が出ます。お名前や電話番号の入力はありません。
よくある質問
- 中古タイヤでも車検には通りますか?
-
残り溝が1.6mm以上あるなど、保安基準を満たしていれば通ります。新品か中古かは問われません。ただし車検に通ることと、これから安心して使えることは別の話です。基準ぎりぎりのタイヤは、通った直後に交換時期を迎えます。
- 中古タイヤは4本まとめて買ったほうがよいですか?
-
4本そろえられるならそれが一番です。難しい場合でも、同じ車軸の左右2本は銘柄と減り方をそろえてください。前後左右で状態がばらばらだと、雨の日に車の動きが不安定になりやすくなります。
- 走っていない「新古品」なら年数は気にしなくてよいですか?
-
溝は減っていませんが、ゴムの年数は同じように進みます。未使用と書かれていても、DOTコードで製造年を確かめてください。どこで保管されていたかによっても状態は変わります。
- 中古のスタッドレスタイヤはどうでしょうか?
-
夏タイヤより慎重に見てください。冬用タイヤには「プラットフォーム」という別の目印があり、これが現れたら溝が半分減った状態で、雪道用としては使えません。冬の効きはゴムの柔らかさにも支えられているため、製造年の古いものは向きません。選び方は冬タイヤ(スタッドレス)ガイドもご覧ください。
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